
TradingViewを使い始めると、最初に悩むのが「どのインジケーターを入れればいいのか」という点です。
TradingViewには多くのインジケーターがあります。移動平均線、RSI、MACD、ボリンジャーバンド、出来高、VWAPなど、選択肢が多いため、最初からあれもこれも入れたくなります。
ただ、初心者の段階で大切なのは、インジケーターを増やすことではありません。まずは、相場の方向、勢い、売買の強さを大きく確認できる基本だけに絞ることです。
インジケーターを入れすぎると、チャートが見にくくなります。さらに、それぞれのサインがバラバラに見えて、結局どこで判断すればいいのか分からなくなります。
最初は、少ない道具で相場を整理するほうが実戦では使いやすいです。
この記事では、TradingViewで最初に入れておきたい基本インジケーターを、初心者でも扱いやすい順番で整理します。
まずは移動平均線を入れる
最初に入れたいインジケーターは、移動平均線です。
移動平均線は、一定期間の価格の平均を線で表示するものです。TradingViewの公式ページでも、移動平均線は一定期間の平均価格を表示し、相場の方向や価格との位置関係を見るために使われるものとして説明されています。
初心者が最初に見るべきなのは、価格が移動平均線の上にあるのか、下にあるのかです。
価格が移動平均線の上で推移している場合は、買いが優勢になっている可能性があります。反対に、価格が移動平均線の下で推移している場合は、売りが優勢になっている可能性があります。
もちろん、これだけで売買判断を決めるわけではありません。ただ、今の相場が上向きなのか、下向きなのかを確認する土台として、移動平均線はかなり使いやすいです。
最初に入れるなら、50期間と200期間の移動平均線が見やすいです。
50期間は中期の流れを確認しやすく、200期間は大きな流れを確認しやすいです。BTCや為替、株価指数を見るときも、50と200の位置関係は多くのトレーダーが意識しやすい部分です。
たとえば、価格が200移動平均線より上にあり、50移動平均線も上向きであれば、全体としては強い流れと考えやすくなります。反対に、価格が200移動平均線より下にあり、50移動平均線も下向きであれば、上値が重い相場として見ることができます。
移動平均線は、細かいエントリーよりも、まず環境認識に使うのが基本です。
▼TradingViewでチャート環境を整える
RSIで買われすぎ・売られすぎを見る
次に入れたいのがRSIです。
RSIは、相場の勢いを数値で確認するインジケーターです。一般的には0〜100の範囲で表示され、70以上は買われすぎ、30以下は売られすぎの目安として見られます。RSIは価格変化の速さや大きさを測る指標として広く使われています。
ただし、RSIを単純に「70を超えたら売り」「30を下回ったら買い」と見るのは危険です。
強い上昇トレンドでは、RSIが70付近に張りついたまま価格がさらに上がることがあります。反対に、強い下落トレンドでは、RSIが30付近に張りついたまま価格がさらに下がることもあります。
そのため、RSIは逆張りのサインとして使うよりも、相場の勢いを見るために使うほうが安定します。
たとえば、価格が上がっているのにRSIがあまり上がっていない場合は、上昇の勢いが弱くなっている可能性があります。反対に、価格が下がっているのにRSIが下がりきらない場合は、下落の勢いが弱くなっている可能性があります。
初心者の段階では、RSIの数値そのものよりも、価格の動きとRSIの動きがそろっているかを見ると分かりやすいです。
価格が上昇していて、RSIも50より上で推移しているなら、買いの勢いが残っていると考えやすくなります。価格が下落していて、RSIも50より下で推移しているなら、売りの勢いが残っていると考えやすくなります。
RSIは、単体で答えを出すものではなく、移動平均線と合わせて見ることで使いやすくなります。
出来高で本当に動いているかを見る
TradingViewで最初に入れておきたいものとして、出来高も外せません。
出来高は、どれくらい売買が行われたかを示すものです。価格が動いていても、出来高が少ない場合は、その動きに力がない可能性があります。反対に、価格が大きく動き、同時に出来高も増えている場合は、多くの参加者が反応している可能性があります。
特にBTCや仮想通貨を見る場合、出来高は重要です。
価格だけを見ると強そうに見えても、出来高が伴っていない上昇は、あとから失速することがあります。反対に、下落中に出来高が急増した場合は、投げ売りが出ている可能性や、短期的に売りが出尽くしかけている可能性もあります。
もちろん、出来高だけで反転を決めつけるのは危険です。重要なのは、価格の位置、移動平均線、RSIと合わせて見ることです。
たとえば、200移動平均線付近で価格が反発し、同時に出来高が増えているなら、その価格帯で買いが入っている可能性を考えられます。逆に、重要なサポートを割り込む場面で出来高が増えているなら、損切りや売り圧力が強まっている可能性があります。
出来高は、価格の動きに説得力があるかを確認するためのものです。
最初の段階では、細かい読み方よりも「価格の動きと出来高がそろっているか」を見るだけでも十分です。
MACDはトレンドの勢いを確認するために使う
MACDも、TradingViewでよく使われるインジケーターのひとつです。
MACDは、複数の移動平均線をもとに、トレンドの方向や勢いを確認するために使われます。一般的には、MACD線、シグナル線、ヒストグラムという表示で構成されます。MACDはトレンドや勢い、売買タイミングの判断に使われる代表的な指標として知られています。
初心者が見るべきポイントは、MACDが上向いているか、下向いているかです。
MACDが上向きに転じている場合は、下落の勢いが弱まり、上昇方向の力が出てきている可能性があります。反対に、MACDが下向きに転じている場合は、上昇の勢いが弱まり、下落方向の力が出てきている可能性があります。
ただし、MACDも万能ではありません。
MACDは移動平均をもとに作られているため、どうしても反応が遅れることがあります。すでに価格が大きく動いたあとにサインが出ることもあります。
そのため、MACDはエントリーの合図として使うよりも、トレンドの勢いが続いているか、弱まっているかを見る補助として使うほうがよいです。
たとえば、価格が移動平均線の上にあり、RSIも50より上、MACDも上向きであれば、相場全体としては上方向の流れが続いていると考えやすくなります。
逆に、価格が移動平均線の下にあり、RSIも50より下、MACDも下向きであれば、無理に買いで入る場面ではないと判断しやすくなります。
MACDは、単体で判断するよりも、移動平均線とRSIの確認を補強するために使うと分かりやすいです。
▼TradingViewで複数時間足を確認する
ボリンジャーバンドは価格の伸びすぎを見る
ボリンジャーバンドは、価格の上下の広がりを確認するためのインジケーターです。
中心に移動平均線があり、その上下にバンドが表示されます。価格がバンドの上側に近づくと強く上昇している状態、下側に近づくと強く下落している状態として見られます。
ボリンジャーバンドで大切なのは、価格がバンドに触れたからすぐ反転すると考えないことです。
強いトレンドでは、価格がバンドに沿って動き続けることがあります。上昇トレンドでは上側のバンドに沿って上がり、下落トレンドでは下側のバンドに沿って下がることがあります。
初心者が見るべきなのは、バンドの幅です。
バンドが狭くなっているときは、値動きが小さくなっている状態です。そのあとに大きく動く準備段階になることがあります。反対に、バンドが大きく広がっているときは、すでに価格が強く動いている状態です。
BTCのように値動きが大きい銘柄では、ボリンジャーバンドを見ることで、今の価格が通常より伸びているのか、まだ落ち着いているのかを確認しやすくなります。
ただし、最初から必ず入れる必要はありません。
移動平均線、RSI、出来高に慣れてから、価格の伸びすぎを見るために追加するくらいで十分です。
最初からインジケーターを入れすぎない
TradingViewには便利なインジケーターがたくさんあります。
しかし、初心者の段階で多く入れすぎると、判断がかえって難しくなります。
移動平均線では上昇に見える。RSIでは買われすぎに見える。MACDではまだ上向きに見える。ボリンジャーバンドでは伸びすぎに見える。
このように、インジケーターごとに見方が違うため、慣れていないうちは判断が混乱しやすくなります。
最初は、役割を分けて考えることが大切です。
相場の方向を見るなら移動平均線。勢いを見るならRSI。売買の強さを見るなら出来高。トレンドの変化を見るならMACD。価格の伸びすぎを見るならボリンジャーバンド。
このように、それぞれの役割を分けると、チャートがかなり整理されます。
インジケーターは、増やせば勝てるものではありません。大切なのは、自分が何を見るためにそのインジケーターを入れているのかを説明できることです。
説明できないインジケーターは、いったん外したほうがよいです。
BTCを見るなら4時間足との相性がよい
BTCや仮想通貨を見る場合、最初は4時間足で確認するのが扱いやすいです。
短い時間足は値動きが細かく、ノイズが多くなります。1分足や5分足だけを見ていると、少しの上下に振り回されやすくなります。
4時間足であれば、短期の動きも見ながら、ある程度大きな流れも確認できます。
移動平均線、RSI、出来高、MACDも、4時間足で見ると相場の流れを整理しやすいです。
たとえば、4時間足で価格が200移動平均線の上にあり、50移動平均線も上向き、RSIが50より上、出来高も増えているなら、短期的には買いが優勢と見やすくなります。
反対に、4時間足で価格が200移動平均線の下にあり、戻り売りの形になっているなら、無理に買いで追いかける場面ではないと判断しやすくなります。
初心者ほど、短い時間足で細かく当てようとしがちです。
しかし、まずは4時間足で大きな方向を確認し、そのうえで短い時間足を見るほうが、判断は安定しやすくなります。
最初の設定はシンプルでいい
TradingViewで最初に入れるインジケーターは、シンプルで問題ありません。
まずは、50期間と200期間の移動平均線。次にRSI。さらに出来高。慣れてきたらMACDやボリンジャーバンドを追加する。
このくらいで十分です。
重要なのは、インジケーターの数ではなく、相場を同じ手順で確認できることです。
まず価格の位置を見る。次に移動平均線で方向を見る。RSIで勢いを見る。出来高で売買の強さを見る。必要に応じてMACDでトレンドの変化を見る。
この順番で見るだけでも、なんとなくチャートを見る状態から抜け出しやすくなります。
トレードでは、毎回違う見方をすると、判断が安定しません。勝った理由も負けた理由も分からなくなります。
だからこそ、最初は見るものを絞り、同じ順番で確認することが大切です。
▼TradingViewで自分のチャート設定を作る
まとめ
TradingViewで最初に入れたいインジケーターは、移動平均線、RSI、出来高です。
この3つがあれば、相場の方向、勢い、売買の強さを大きく確認できます。
そのうえで、トレンドの変化を見たい場合はMACD、価格の伸びすぎを見たい場合はボリンジャーバンドを追加すると、チャート分析の幅が広がります。
ただし、インジケーターは多ければよいものではありません。
大切なのは、それぞれの役割を理解し、自分の中で見る順番を決めることです。
最初は、移動平均線で方向を確認し、RSIで勢いを見て、出来高でその動きに力があるかを見る。この基本を繰り返すだけでも、チャートの見え方はかなり変わります。
TradingViewは多機能なチャートツールですが、最初から全部を使う必要はありません。
まずはシンプルな設定で、相場の流れを落ち着いて見ることから始めるのが現実的です。