相場教科書

GBTCの流出を見る理由とは?ETF売り圧力のサインと仮想通貨相場への影響


✅ そもそもGBTCとは?

GBTCとは、Grayscale(グレースケール)社が運営する「ビットコイン投資信託」のことです。
正式名称は Grayscale Bitcoin Trust(GBTC) といい、もともとは現物ETFがまだ承認されていなかった時代から、機関投資家のビットコイン投資の受け皿
として長年使われてきた歴史ある金融商品です。

GBTCはアメリカの証券市場に上場しており、1口あたりビットコインを裏付け資産として保有しています。


✅ 現物ETF承認後、なぜGBTCの流出が増えている?

2024年1月に米国でビットコイン現物ETFが承認されたことにより、GBTCからブラックロック(IBIT)やFidelity(FBTC)といった新しいETFへの資金移動が活発になりました。

その理由は以下のとおりです:

  • 手数料が高い(GBTCは年間2%前後の手数料、他ETFは0.2〜0.3%)
  • 売却できるようになった(以前は保有制限あり)
  • 新ETFの方が流動性が高く、効率的な投資ができる

このような背景から、GBTCを売却して、他のETFへ乗り換える流れが強まり、それが「GBTCからのビットコイン流出」としてデータに現れているのです。


✅ GBTCの「流出」はなぜ売り圧力になるの?

GBTCからの流出 = GBTCが保有していたBTCを売却して現金化した可能性が高いという点がポイントです。

つまり、

  • GBTCがビットコインを引き出す(流出)
  • それが市場で売られる
  • 結果としてBTC価格に下押し圧力がかかる

という構図です。

特に、流出額が大きいときや、数日連続で流出が続くときは、相場への影響がより強く出る傾向があります。


✅ ただし「流出=暴落」ではない

注意したいのは、「流出したから必ず下がる」という単純な話ではないことです。

以下のようなケースもあるからです:

  • 売られずに、他ETFへ移管されているだけ(=売りではない)
  • 流出よりも他ETFへの流入が大きければ、相場は安定しやすい
  • テクニカルやファンダメンタル要素も同時に影響してくる

そのため、GBTCの流出だけで判断するのではなく、他のETFの流入状況も必ずセットで見る必要があります。


✅ チェックすべきポイント(SoSoValueの活用)

GBTCの流出は、仮想通貨ETFデータサイト「SoSoValue(ソーソーバリュー)」で毎日確認できます。

おすすめの見方はこちら:

  • GBTCの1日あたりの流出額」に注目(例:-100Mドルなど)
  • 他のETF(IBITやFBTC)の流入額」と合わせて判断
  • 純流入合計(日時総純流入額)」も確認すると全体の地合いがつかめる

✅ 相場への影響の具体例

【パターン①】GBTCから100Mドル流出 → 他ETFに流入なし
売り圧力として下落につながる可能性大

【パターン②】GBTCから100Mドル流出 → IBITに120Mドル流入
売りと買いが相殺。相場は安定 or 上昇継続の可能性あり


✅ トレード戦略にどう活かす?

  • 短期トレード:流出額が大きい日は「下方向に走るリスク」を警戒
  • スイング・中期目線:数日連続の流出があるときは、押し目狙いも慎重に
  • ロングエントリーするなら、GBTCが落ち着いたタイミング or 他ETFの流入が優勢なときが理想的

✅ まとめ

GBTCの流出は、ビットコイン市場における「見えない売り圧力」を察知するサインです。
特に短期的な値動きを予測する上では、重要な警戒指標のひとつです。

ただし、それだけで判断せず、

  • 他ETFの流入とのバランス
  • 全体の純流入(SoSoValueで確認)
  • チャート・出来高・ロングショート比率などの他指標

と組み合わせることで、より正確な相場判断が可能になります

SoSoValueをうまく活用して、毎日のトレードに“地合いチェック”を取り入れていきましょう!

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